【コロナ対策】3点セット③ハンドクリーム

“自然のステロイド”も有する万能な天然美容液シアバター

シアバターとは、アフリカに生息するアカテツ科・シアの木の実から採れる植物性油脂のこと。

現地では昔から民間療法の薬草として親しまれ、火傷や筋肉痛のほか、紫外線による乾燥から

肌を守るためなどに広く使われてきました。

 

◆精製と未精製の違い

シアバターには、茶色がかった商品と白い商品があります。この違いは、精製しているかどうかによります。

 

未精製のシアバターほんのり茶色や、クリーム色をしているシアバターは未精製です。種の収穫時期や抽出技術などにより、色は少しずつ異なります。チョコレートやココナッツのような独特の甘い香りも特徴です。

 

精製済みのシアバターは色が白く、香りもほぼありません。未精製のシアバターから酸化の原因となる物質を取り除いているため、安定性があり、長期保存が可能です。

 

国内で流通しているシアバターは、大量生産や製品の安定性を重視しているため、ほとんどが精製済みの白いシアバターとなっています。浸透性では未精製シアバターのほうが高いといわれていますが、精製シアバターにも皮膚をコーティングすることで、肌の水分量を守る効果があります。

 

◆シアバターに含まれる美容成分

シアバターの主成分は、ステアリン酸オレイン酸で、その他にリノール酸パルミチン酸などの脂肪酸が含まれています。これらの脂肪酸は、人の皮脂と似た成分ですので、肌にとてもなじみやすく長時間、保湿が持続します。ステアリン酸は、非常に酸化しにくく抗酸化作用があります。また、乾燥からしっかりと肌を守ってくれます。もう1つの主成分であるオレイン酸も、肌にとてもなじみやすく長時間保湿が持続するとされています。

また、シアバターの微量美容成分としては、以下のようなものがあげられます。

 

トリテンペンアルコール

保湿性に優れており、肌を柔らかくしてくれる効果があるとされます。

アラントイン

自然治癒力を促進する効果があるため、肌荒れの改善が期待できます。保湿しながら肌のダメージを改善できると考えられます。

カロチノイド

皮膚や粘膜の再生を助けてくれる成分です。こちらも、荒れてカサカサになってしまった肌を健康な状態に戻す助けをしてくれます。

トコフェロール

天然のビタミンEです。ビタミンEといえば抗酸化ビタミンとして有名ですから、肌の老化を防いでくれるため、美肌効果にも期待ができます。

〜使い方〜

 

シアバターは肌になじみやすく安全性が高いので、一般的な美容クリームと同じように非常に幅広い用途で使うことができます。大豆ほどのサイズを手にとって、両手で十分に温めるとよく伸びるようになり、使い勝手がよくなります。洗顔後の保湿はもちろんのこと、ハンドクリームやリップクリーム、ヘアワックスとしてもおすすめできます。また、シアバター由来の石けんを使うと、しっとり感のある洗いあがりになります。乾燥肌の人はぜひ試してみてください。

以下では、顔や足、髪などへの具体的な使い方をご紹介します。


 

◆顔への使い方

日中や夜の保湿クリームとして、乾燥が気になる部分を中心に適量を薄く伸ばします。手のひらで温め、柔らかくしてから塗るのがコツです。また、特に乾燥が気になるときは蒸しタオルを使ったスペシャルケアも試してみてください。

*シアバターを手のひらで温め、顔に塗布する

*フェイスタオルに水を浸して絞り、電子レンジで30秒~1分間温めてから

 顔にのせる

*1分間ほど蒸気を当ててから、タオルでシアバターをやさしく拭き取る

  

※蒸しタオルを使用するときは火傷に気をつけ、腕やあごなどで熱すぎない温度になっているのを確認してから顔にのせましょう。

◆足への使い方

かかとのガサガサや、ひじ・ひざのかさつきが気になるときにも、シアバターが効果的です。乾燥しやすい部分には、シアバターを重ね塗りしましょう。寝る前のかかとケアにおすすめの方法もご紹介します。

*足の裏やかかとに、シアバターをたっぷり塗る

*左右の足それぞれに薄いビニール袋をかぶせる

*ビニール袋の上から靴下を履き、一晩を過ごす

※ビニール袋はご家庭の台所やスーパーのレジで入手できるもので十分です。ビニールを足に履くと滑りやすくなるので、歩くときは気をつけましょう。

 

◆髪への使い方

ステアリン酸とオレイン酸が主成分であるシアバターは、髪や頭皮の保湿、ダメージヘアの保護にも効果があります。

ドライヤーの前にシャンプー後、タオルドライをしてから毛先を中心に温めて柔らかくしたシアバターをなじませます。その後ドライヤーをすることで、髪に必要な水分や栄養を守り、パサつきを防ぎながら乾かすことができます。

スタイリング剤としてシアバターには紫外線や乾燥から髪を守る効果もあります。手のひらで温めたシアバターを髪に適量伸ばすことで、髪をしっとりと落ち着かせることができます。

シャンプー前のトリートメントに手のひらでシアバターを温めてから頭皮や髪になじませ、蒸しタオルを巻いて20~30分置きます。その後、いつものようにシャンプーやコンディショナーを行います。頭皮の汚れを落とすとともに、乾燥やパサつきから髪を守る効果があります。

シャンプーのきしみ防止にシャンプーで洗うたびに髪がキシキシするという方は、シアバターをシャンプーに少量加えるとしっとりします。シアバターは硬いままだとシャンプーと混ざりにくいので、湯せんするなどして温めて使いましょう。

頭皮のフケ、かゆみ防止に頭皮が乾燥していてフケやかゆみが気になるときも、シアバターの保湿作用や肌荒れ改善作用が効果的です。ただし、つけすぎるとベタつくので量を調節しながらつけましょう。

 

◉シアバターはこのほかにも、以下のような部位に活用できます。

  • ・皮脂分泌の少ない目元の保湿に
  • ・ネックラインの保護・乾燥防止に
  • ・リップバームやリップパック、リップグロスに
  • ・手指やネイルのケアに
  • ・入浴後の保湿や全身の日焼け止めケアに
  • ・男性のひげ剃り後のケアに

 

気をつけてほしいこと

以上の使い方はシアバター単品で使用する方法ですが、今回のレシピのように好みのキャリアオイルを混ぜて 作ったハンドクリームなどは、保存料などを使用していないため、なるべく早めに使いきることをおすすめします。また、アトピー性皮膚炎やニキビなど肌トラブルがある方は、念のため使用する前に皮膚科の医師などに相談することをおすすめします。