わたしが障害児のケアに香りやタッチングを大切にしたいと思うわけ

私がずっと大切にしている本があります
障害児の通園施設で働き始めた頃

主任さんからいただいた本です。


その後、自分が後を引き継ぎ

主任となってからも

その本を後輩にプレゼントしていたことを

思い出しました。

 

 

その本の中は赤線やマーカーやら

書き込みやらで汚くなっていたのですが

その当時の私の心が揺れ動いたときの

熱い想いもたくさん書き込まれており

開くたびにその頃の自分にタイムスリップします。



今まで長い間、障害児教育や療育に携わりながら
たくさんのご家族や関係者の方々と接する機会がありました。

その中で自分が子どもと関わる上で

大切にしていることがいくつかあります

それも初めから持っていたものではなく

仕事を続け経験を重ねていく中で

私の中に芽吹いてきたポリーシーというか

信念というか軸の様なものです。


どんなに障害の重い子どもでも発達するということ
その芽生えを発見しお母さんと共有できた瞬間は私にとってかけがえのない宝物になっています。

そして何者にも侵されない「魂」を育んでいるということ
何を言ってもわからないだろう
どうせ言っても聞こえないだろう
どうせ何をしても動かないだろう
そうやって平気で子どもたちの前で

世間話や子どもを否定するような

話しをしている療育者を見ると憤りを感じます。

常にこの二つを私の心の中心に据えながら仕事をしています。


実は・・・そうやって子どもと関わっていると

ちゃんと返事を返してくれるんですよ。
自分の中からあふれる言葉や気持ちを

「伝えたい」「共有したい」

という一心で伝えてくれるんです。



特に障がいの重いお子さんは

胎児の段階から障がいを持って生まれてくるため

固有の感覚が阻害されていることが多く

どこに働きかけたらいいのか

手探り状態からのスタートとなります。


その中でも早期に発達する感覚は
◎刺激の対象が自己の内部や外部との接触面にある皮膚感覚
◎筋肉運動感覚
◎前提感覚及び聴覚の一部です





10年以上前に関わったKくん。
目は光を感じる程度で音もほとんど聞こえている様子がなく,一人では,座位姿勢をとったり寝返りをすることも困難な脳性まひのお子さんでした。

見たり聞いたり動かしたりすることが難しいお子さんでしたが,アロマオイルを使って,体をさすったりタッピングしたり,揺らしたりすると微笑み返してくれるようになり,次第に声を出したり手足を自分で動かそうとする様子まで見られるようになってきました。



そのうち,自分の好きな香りを選んで教えてくれるようになり

ご家族の方から
「うちの子がものを選べるようになるなんて思いもしなかった」
「うちの子が笑うと家族みんなが幸せな気持ちになります」

 

との言葉をいただきました。

 

これが,アロマの効果によるものなのか
といわれればなんの裏付けもありません


しかし、お子さんの笑顔を引き出すほどの快反応がみられ、Kくんの自発的な「想い」から発する動きを引き出すことができたという結果を喜び合うことができたという事実があれば十分でした。





それから、私自身もっと体のしくみや発達、心と体と香り、感覚の関係性について学び掘り下げていくことで、療育や教育の現場に活用していきたいと思うようになり現在に至ります。


緊張することなく
ゆっったりとした健康なからだになり
自分の手足の存在に気付き使ってみようと思う
いろいろな遊びを受け容れてみんなと一緒に楽しむ

 

どれも不可能なことではないと思っています。



このように、さまざまな願いをもっている生きている子どもたちと日々関わる中で、私は、
アロマケア・タッチケアという媒体を通してその実現のお手伝いや後押しができるセラピストでありたいと思っています